第5章 昨日の真実は今日の嘘



文呉鎮はあの後なかなか人に会わず歩き回っていた。
見つけた!そう思った時には既に死んでいた。
他のものが殺した死体となり果てたものだったのである。
くそっ!そう吐き棄てて後ろを振り返ると、額に冷たい感触。
パーン。それっきり、呉鎮は動かなくなった。
「周囲には気を付けるこった」
「それは、あんたもさ」
バババババババババーン。
動かなくなった崔叛厳にシニカルな笑みを浮かべて。
「劉・・・」
横からかかった声にそちらを向く。
「鄭か・・・・お前は、どれだけ殺った?」
「1人・・・」
「まだ、大分残ってるだろ?」
「ああ。俺ら入れて11人は・・・いや、9人か?」
「そんなにか。はぁ。李や金や文は?」
「さぁ?あいつらにはまだ会ってないぜ。別の李と金には会ったがな」
「あぁ、10番と2番のやつらか。選抜の奴で残ってるのは何人か解るか?」
「・・・・3人だろ?あとは、俺らの仲間にはならないと言った朴の奴。そして、お前と俺」
「そうか・・・・。選抜の奴らを殺れば、このゲームから・・・・」
「ああ・・・」
そこで言葉を切ると鄭は、にこりと笑み言う。
「けどさ、劉・・・・俺はもうそんなのどうでもいいんだ」
「は?」
劉が問い返したとは時には、既に鄭は発砲していた。パーン。
「鄭!お前・・・・裏切るのか?」
「裏切る?まぁ、そうかもな・・・・けど・・・・あいつらが何処までやれるか見てみたいんだよ」
にやりと笑うと、今度は本当に当てにいく。
劉は取り落としたマシンガンを素早く拾うと、鄭に向けて乱射する。
鄭はそれをひょいっと交わし(人間離れし過ぎ)、劉の懐へ入り込む。
喉笛にデザートイーグルを付きつけ、ためらいもなく引き金を引く。
「ふー」
鄭は、デザートイーグルをベルトに挟むと、劉のマシンガンを取り上げる。
「悪く思わないでくれ・・・つーのも無理か。あいつらなら、何か面白いことやりそうなんだよ」
劉の死体に話しかける。
静かに彼を横たえると、鄭はその場を後にする。
[残り8人]

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