第六章 これが真実?



「ごめん・・・オン・・・・」
潤慶と道漢は、世遠の遺体を落ちついた所に移し、まぶたを下ろしてやった。
「潤慶、これからどうするんだ?」
「ちょっとこっちに来て」
「ああ・・」
潤慶は、ノートパソコンの前に座ると、別窓を開いて何かを打ち込む。
『首輪に盗聴気が付いてる。・・・・今、政府のコンピューターにハッキングしているんだ。
もう少しで、首輪の解除できるかもしれない』
「ホントか?」
道漢は口唇を動かし、潤慶に尋ねる。
『うん』
潤慶と道漢は取り止めない会話をしながら、これからのことをパソコンで話あった。


がたっ・・がたっ・・・・。
戸口の方で音がする。
二人は訝しみながら、戸を開けた。
すると、そこには血まみれの安圭洪の姿がそこにはあった。
「「圭洪!!」」
二人は叫んだ。潤慶は頭部を、道漢は足部を持ち、ソファに寝かせた。
潤慶と道漢はテキパキと傷の手当てをしていく。
「う゛っ・・・・・」
「圭洪、気が付いたか?」
「道漢と潤慶か?」
「あぁ。大体手当てしたが、一体誰にやられたんだ?」
「転校生たちだ・・・・あいつら、選抜のメンバーセン全滅させれば助かるらしい・・・」
「なっ・・・ホントか?それ!」
「ああ、あいつらがいってた」
「潤慶と道漢はどうしてここに?」
「あ、今・・・」
「道漢!」
「あ、ワリィ・・・」
安は訝し気に二人を見る。
傷は目に見えて酷いはずではあったが、安はすくっと立ち上がる。
「ホン?!」
「悪いが、俺は死ぬ気はないぜ?」
「え?」
二人に向かって銃を向ける圭洪。
「俺は、優勝して・・・・」
安の言葉は途切れたまま、彼は前のめりに倒れた。
「「ホン!?」」
二人が駆け寄ると、サイレンサー付きの銃を持った鄭が屋根から降りてきた。
「お前はさっきの!!」
道漢は彼を睨みつける。
「鄭だよ。鄭全嗣」
飃々とした様子で鄭は言う。
「だからなんだ!?・・・ホンを殺して平然と・・・」
「まぁ、待てよ。その安って奴、結構したたかだぜ?」
「何?」
「あいつ、他の転校生・・・一応、俺の仲間?とかいう奴らをさ、四人もやったんだぜ?
で、お前らもやっちまう腹だった・・・って訳さ。俺は、あんたらがどうやるのか見てみたいからな・・・」
にやりとどこかの誰かさんの専売特許なシニカルな笑みを道漢たちに向けていった。
「まっ、俺含めてもう三人だけど・・・・?な」
「「・・・・・・・」」
はっとして、潤慶はパソコンの前に座る。
カタカタカタカタカタ・・・。
政府のマザーコンピューターから引き出した情報をCD−Rにコピーしていく。
「・・・・・・やった!」
靜寂を保つ廃墟に、小さな歓喜の声。
「ホントか?」
それを聞いて、道漢はパソコンを覗きこむ。
「ああ・・・」
それを見て鄭は静かにその場を後にした。
(やるじゃん・・・・あんたら・・・)
[生還3人]

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